SharePoint 2013 の検索機能でスタンダード/エンタープライズライセンスの違い

SharePoint 2013 では、これまで別建てのオプション製品だった高機能検索ソリューション「FAST」が統合され、検索基盤が大幅に強化されました(完全にマイグレートされたのでFASTという製品は無くなる)。SharePoint のライセンスにより、そのうち何処までの機能が利用できるのかが変わる訳ですが、具体的に何が違う(スタンダードでは利用できない)のでしょうか。

この辺りの情報は、実はある意味「灯台下暗し」なのですが、SharePoint 2013 公式リソースの「製品概要紹介スライド」に纏められています。

SharePoint 2013/関連リソース/製品概要紹介スライド
http://sharepoint.microsoft.com/ja-jp/2013/resources/

「SharePoint Server 2013 検索機能概要」です。資料は Preview 時点での機能ピックアップですが、スライドの右上にどのバージョン(Foundation/Standard/Enterprise)で利用できるかの印がつけられています。

この資料から簡単にまとめると、エンタープライズライセンス限定なのは以下の三点になります。

1.コンテンツ検索Webパーツ(P28)
2.エンティティティ抽出(P40)
3.コンテンツ強化Webサービス(P41)

(2)と(3)は大規模な環境で、検索精度を向上するためのチューニング機能のようなイメージですのでエンタープライズ限定なのも納得なのですが、(1)は厳しい…

これは、検索ベースのデータ抽出を可能にする特殊な Webパーツで、従来の「コンテンツクエリWebパーツ(CQWP)」に代わるものです。CQWP よりもリアルタイム性には劣りますが、広範囲、低負荷、カスタマイズ可能と、相当使い勝手が良さそうで期待を集めていただけに、残念です。

尤も、スタンダード版でも検索インデックスに対してクエリを投げる API が利用できない訳ではない筈ですので、同じような仕組みをカスタム開発することは出来るかと思います。

なお、オンラインサービスである Office 365 については(2)(3)は不可ですが、(1)については明記されていませんので利用できるかも。ただし、現行の Office 365 Preview では利用できないようなので、実際のところどうなるかはまだ不明。

SharePoint 2013の検索機能については、いわゆる「中の人」が発信されているこちらのブログ:エンタープライズ ナウ が非常にお勧めです。以下に、いくつか気になる記事へのリンクをまとめておきます。

SharePoint 2013 検索機能のすゝめ (1)
SharePoint 2013 検索機能のすゝめ (2)
SharePoint 2013 検索機能のすゝめ (3)
SharePoint 2013 カスタム エンティティ抽出機能の利用方法
SharePoint 2013 での類義語の登録
“REST API” 3 分間クッキング


これまでのコメント

  1. Atsuo Shimoyama より:

    TechNetに公開されていました。(一番下の表)
    http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/jj819267.aspx

  2. 中村 和彦 より:

    ありがとうございます!こんなところに…というか、これ、SharPoint Online のページなのに(笑)

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Author

中村 和彦(シンプレッソ・コンサルティング株式会社 代表)が「ユーザ視点の SharePoint 情報」を発信します。元大手製造業 SharePoint 運用担当。現SharePoint コンサルタント。お仕事のお問い合わせはこちらまでお願いします。当ブログにおける発信内容は個人に帰属し所属組織の公式発信/見解ではありません。
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