SharePoint 2010とスマートデバイス(主にiPhone/iPad)

この数年、iPhoneの大ヒット、Androidの普及、iPad(そしてWindows Phoneもね)など、スマートデバイスとモバイル環境が急速に充実してきました。以前は「ユビキタス」などという言葉がありましたが、最近は当たり前すぎて逆に聞かれませんね。

。さて、こうなると当然、こうした新しいデバイスを業務で活かそう、という流れが生まれます。SharePoint の現行バージョンである SharePoint 2010 とスマートデバイスの親和性は?ご存知の方には当然の内容ですが、簡単にまとめてみます。

SharePointのモバイルビュー

SharePoint 2010 は、2007 同様、携帯デバイスからアクセスすると自動的にモバイル表示になります。が、これは正直、使えません(苦笑)明らかに「画面が狭い/通信が遅い/タッチ操作ができない」携帯電話を前提にしていて、スマートデバイスには不向きです。

まあ、考え見れば当然で。「2010」ですからね。製品として企画されたのは2008年辺りでしょう。当時、まさかこれほどスマホやタブレットが普及するなんて誰も想定していませんでした。

このモバイルビューは、強制転送な上、事実上カスタマイズ不可なので厄介なのですが、オンプレミスであればフロントエンドサーバの web.config を編集することで無効化できます。ただし、当然ながらファーム全体に影響します。

How to disable mobile view in SharePoint 2010
http://joranmarkx.wordpress.com/2011/12/05/how-to-disable-mobile-view-in-sharepoint-2010/

という訳で、スマートデバイスを活かすなら、このモバイルビューは忘れて、普通にブラウザベースで利用するほうが良いのが現状です。

SharePoint 2010 と iPhone

iPhone のブラウザで SharePoint を利用してみると、レスポンスについて不都合をあまり感じることはありません。実のところ、昨今の端末スペックはひと時代前のPCよりも上ですからね。その為、ボトルネックになるのは主に回線で、流石に 3G 接続ではいろいろ苦しいのですが、それでも閲覧するだけなら大きな問題はありません。

しかし、最大の問題はやはり画面の狭さ。物理的な小ささです。なまじ解像度が高いだけに、画面表示も文字もリンクも小さくて操作し辛い。もちろん拡大縮小は出来るわけですが、いちいち大きくしたり小さくしたりと面倒です。

機能面では、ブラウザが IE でないことが問題になります。SharePoint はそもそも Windows + Office + IE を前提に設計されており、それ以外のブラウザではどうしても機能制限が避けられません。ActiveX で動いている機能も結構あり、このあたりは全滅です。もちろん、基本的に閲覧用途なら大きな問題はありませんし、アップデートの都度(特に Office 365 では)制限が減る方向に進んでいますので、将来的にはこの問題は縮小してゆくでしょう。

実務面では、iPhone 単独ではファイル管理機能が無いのが不便です。GoodReader などのアプリである程度補えますが、最新の iOS6 でもファイルのアップロードはカメラロールからしかできません。(それ以前のバージョンではそもそも不可)

総合的には「どうしても見る必要がある情報がある場合に閲覧することができる」レベルだと思います。補助としては十分ですが、これで日々の業務をこなすのは無理があります。

SharePoint 2010 と iPad

基本的には iPhone と同様なのですが(OSが同じですし)、物理的な画面の大きさのおかげで、違和感なくブラウズできます。しかし、やはり GUI がタッチに最適化されていないため、使いにくさは拭えません。

また、利用できるからこそファイルの取り扱いの弱さが目立ちます。とくに Office 文書の。OWA 機能も現時点では iPad でうまく動作しないため、閲覧専用です。ハンドリングも考えると、PDF に頼ることになります。

iPhone に比べれば実用的な業務端末になり得ますが、それでもまだ主業務で利用するのは厳しいでしょう。

SharePoint 対応アプリ

結局のところ、スマートデバイスについては、どのような形で(シナリオで)それを業務利用するのか、次第なります。前述のような制約はあるものの、、業務を補完するモバイルデバイス、として位置付けるなら十分です。しかし、もし、より SharePoint の機能を活用したいのであれば、SharePoint に対応した専用アプリを利用することが一般的です。

アプリは、以前にも紹介していますが、インフラジスティクス社の「SharePlus」、フェアユース社の「ShareOffice」あたりがお勧めです。機能やエンタープライズ対応では前者が充実していますが、自社用途にあわせてカスタマイズするなら後者ですね。

SharePlus は Appstore から無償版をDLできますので、試してみてください。残念ながら ShareOffice は有償版のみですが。なお、自社環境にスマートデバイスからアクセスできない、という方は、Office 365 を利用されるとよいでしょう。

インフラジスティクス社「SharePlus]
http://jp.infragistics.com/products/shareplus.aspx#SharePlus
フェアユース社「ShareOffice]
http://podcast-j.net/archives/2010/12/sharepoint-iphone-share-office-app.php

この辺り、活用シナリオの検討から業務設計、アプリケーションの採用まで、ご相談はウチの会社でも承りますのでぜひお声かけください。


Author

中村 和彦(シンプレッソ・コンサルティング株式会社 代表)が「ユーザ視点の SharePoint 情報」を発信します。元大手製造業 SharePoint 運用担当。現SharePoint コンサルタント。お仕事のお問い合わせはこちらまでお願いします。当ブログにおける発信内容は個人に帰属し所属組織の公式発信/見解ではありません。
Twitter : @saruhiko
FB : 中村 和彦
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