LLCのPeach Aviation株式会社がExchange/SharePointクラウドを採用

昨日から所々で話題になっているのでご存知の方も多いかと思いますが、日本初のLLC(格安航空会社)として有名なピーチ・アビエーション社が、クラウド環境のSharePointを採用、とMicrosoftから事例発表がありました。

導入事例 > Peach Aviation株式会社
既存の枠に囚われることなく柔軟な発想でビジネス モデルを構築し、LCC (ローコスト キャリア) として好スタートを切った Peach Aviation株式会社。2011 年 2 月にわずか 20 名でスタートした同社は、2012 年 3 月の就航開始時には総勢 200 名を超える規模に到達。今後も成長を続ける同社では、企業規模の変化に柔軟に対応するため “持たざる IT” を実践。柔軟なスケーラビリティーを可能にするクラウド環境の上に Exchange Server と SharePoint Server を利用することで、同社の創造力溢れるワークスタイルを支える統合情報プラットフォームを構築しています。

一応、Google Appsからの切換、という案件ですが、実質的には移行案件というよりも、とりあえず利用していた Apps をやめて、包括的な基盤を構築することにした結果、Microsoftを採用した、という感じでしょうか。

SharePointに関しては以下のようにコメントがあります(赤字は私)。これは素晴らしいです。最低限だけを素早く実現する、というのはSharePointを最大限に活かす(そして地雷を踏まない)為に最善のアプローチだと私は認識しています。「基盤としてのSharePoint」の特性をきちんと把握されていることが伺えますね。

野村 氏はまた、SharePoint Server を採用したメリットの 1 つとして「選択肢の多さ」を挙げています。「設立時のスモール スタートに際し、多くの企業は、コストを最小化すべくパッケージ製品を組み合わせながら、自社内の IT 環境を構築していくことが多いと思います。当社でも当然、同じことを考えていますがパッケージ製品を使うことは必ずしも便利ではなく、”パッケージであっても高くついてしまうこと” もあります。たとえば今回、SharePoint Server 上にカスタマイズしたワークフローの機能を追加しました。実はワークフローのパッケージを別途購入するよりも、安く抑えられました。使い勝手や機能面を 1 つ 1 つ見ると、パッケージ製品の方が優れていたかもしれません。しかし、社内で使う最低限の機能を SharePoint Server だけで実現できるのであればそれでいい、という発想やツールを細分化せず統合利用するメリットもあります。今回の統合情報プラットフォームにおいては、こうした選択肢を見つけながら基盤のポテンシャルを引き出すことができたのは大きいと思います」。

で、ひとつ気になるのは、この事例、どこを見ても「Azure」「Office 365」「SharePoint Online」といった普通なら必ずでてくる単語が見当たらないことです。ただ「マイクロソフトのテクノロジーを活用できるクラウド サービス」とだけ。ホスティングベンダの名前もありません。

ここまで徹底して名前が排除されているところを見ると、当然 Office365 では無いんでしょうね(カスタマイズしたワークフローを追加、とありますし)。かといって、著名な Microsoft パートナ企業という訳でも無さそうです(それなら名前を公開しない理由が無い)。となると…タイミング的に、やはり昨日のアレでしょうか?

正解をご存知なのはもちろん関係者の方だけである訳ですが、ぜひこっそり教えてもらえませんかね〜(笑)


Author

中村 和彦(シンプレッソ・コンサルティング株式会社 代表)が「ユーザ視点の SharePoint 情報」を発信します。元大手製造業 SharePoint 運用担当。現SharePoint コンサルタント。お仕事のお問い合わせはこちらまでお願いします。当ブログにおける発信内容は個人に帰属し所属組織の公式発信/見解ではありません。
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