いまさらきけない? SharePoint の基礎のキソ(Office 365 勉強会資料)+「SharePoint の良い使いかたとは」

先日の Office 365 勉強会で講演させて頂いた際の資料をこちらに掲載しておきます。また資料の後半 1/3 「SharePoint の良い使い方とは」は、イメージスライドだけなので、こちらで補完しておこうと思います。

まず、スライドはこちらです。今回は SharePoint がはじめての方むけのエントリー内容、ということで。SharePoint とは何?という話から、理解する上でどうしても把握が必要になるキーワード(用語/概念)を 12 、ピックアップして説明しました。

さて、その上で「SharePoint の良い使いかた」です。もちろん、これは僕のいちコンサルタントとして、かつあくまで一般論としての見解です。その点はよろしく。

さて。

そもそも SharePoint という製品、あるいはサービスの「強み」ってなんでしょうか。それをどのように使うのが「良い」のでしょうか?実のところ、この質問は沢山の方から聞かれます。

個人的には、それは端的に言えば─「すきなように使う」です。これは冗談ではなく、それができることが、SharePoint の大きな長所だからです。

どちらかと言えば「開発」領域の話しになりますが、SharePoint ほど、各種 API とその技術情報が揃っているグループウェアはありません。だから SharePoint は既存システム連携に強い。SharePoint の中に、自社業務専用のアプリケーションを開発して、ビルトインすることもできます。

もちろん、何でも「開発」するのが良い訳ではありません。開発には「費用」がかかります。初期投資だけではなく、その後のバージョンアップやパッチ適用時の検証、そしてもちろん、必要に応じた改修まで。これはら控えめに言っても、かなり大変です。特に、開発で画面を作り込んでいる場合。過去、SharePoint はバージョンが変わるたびにそのルックスを大幅に変更してきました。画面系の開発は、都度、ほぼ全面改修になりますね。

つまり、SharePoint における開発は(SharePoint に限った話ではないかもしれませんが)、中長期的なコストに対するリターン、プラスマイナスを十分に考慮して行う必要があります。

もっとも、この「コスト」あるいは「マイナス」を低くおさえる方法もあります。それがアドオン製品です。

SharePoint は歴史のある、かつワールドワイドな製品のため、豊富なアドオン製品が存在します。自社開発では長期的コストが見合わない(大抵は小粒な開発です)、そうした機能はアドオン製品の採用で解決できます(弊社でもお取扱いしてますのでご相談ください 笑)。

とはいえ、アドオン製品もコスト(リスク)を下げているだけであり、コストがかかること(マイナスがあること)は変わりません。その点は留意する必要があります。

次に、開発ではなく標準機能について。SharePoint は一見、ものすごく機能豊富に見えます。しかし、実際にエンドユーザー視点で考えてみると、案外、そうでもない。なんというのか「細かいところで気が利かない」んですよね(苦笑)そのため、SharePoint が使いにくい、機能が足りない、という声も案外ある。そして、それに一理あることを認めないわけにはいきません。

ただ、この点については、ぜひ前向きに捉えて欲しい─というのが、僕の考えです。「あれもこれも出来る」ことは確かに素晴らしい。しかし、機能が増えるほど、そのシステムは難しくなり、システムをきちんと理解すること、機能を使うこと、に時間を費やすことになります。

システムを使いこなすことが我々ユーザーの目的ではありません。あくまで、業務、ひいてはビジネスを効果的に進めるためのシステムであり、グループウェアは、この場合 SharePoint はそのための道具にすぎません。

エンドユーザー視点で見た SharePoint は、確かに制約が少なくない製品です。しかしシンプルで「できることしかできない」からこそ、「できることは即、できる」スピードがあります。

例えば、新業務で情報共有を始めます。即座にサイトをつくり、リストとライブラリを設計し、他メンバーに周知します。必要最低限の準備ですが、すぐに業務をスタートすることができます。実際に業務を動かしてみて、も実態にマッチしない点があれば、すぐ変更できます。その業務が終了したなら、サイトを削除(あるいはアーカイブ)して終了です。

この PDCA のスピードこそが、ユーザー側から見た、SharePoint という製品の持ち味です。ある意味「アジャイル開発」ならぬ「アジャイル業務改善」ですね。この素早い、迅速で、持続的な取り組みに適した業務プラットフォーム、それが SharePoint なんです。

だから、実際に SharePoint を社内展開するにあたっては、できるだけエンドユーザー自身にリストやライブラリを設計する権限を与えてください。それが製品特性をいちばん活かして、PDCA のスピードを加速します。もちろん、こと大きな組織では、主に管理上の都合でそれが困難であることも少なくありませんが、そうした場合には、例えば設計を担当部門に依頼できる「申請」フローと、それに迅速に対応できる体制を用意することができればベターでしょう。それが、SharePoint の製品特性を活かし、システム管理者も、キーマンも、エンドユーザーも、皆ハッピーにることができる、方向性のひとつだと思います。

如何でしょうか?

もし、このエントリ内容や資料、勉強会についてご質問があれば、弊社までご連絡ください


Author

中村 和彦(シンプレッソ・コンサルティング株式会社 代表)が「ユーザ視点の SharePoint 情報」を発信します。元大手製造業 SharePoint 運用担当。現SharePoint コンサルタント。お仕事のお問い合わせはこちらまでお願いします。当ブログにおける発信内容は個人に帰属し所属組織の公式発信/見解ではありません。
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