SharePoint で簡単にフォームデザイン編集「SP改for2013 フォームレイアウトデザイナー」
リストフォームを気軽に編集できない、という SharePoint の弱点を補完してくれる国産アドオン製品「アンク社 SP改for2013 フォームレイアウトデザイナー」の紹介です。この製品のポイントは「エクセルライクな編集画面」と「エンドユーザーでも使いこなせるホドホドな機能」。エンドユーザーの UX 向上にお勧めです。
SharePoint の代表的な機能制約のひとつが「フォームレイアウトを(簡単に)変更する/機能を盛込むことができない」です。もちろん、これは SharePoint の利点と裏表なので、一概に「弱点」とは言い難いのですが。まあ、実際のエンドユースで不満を感じやすい点ではあります。
SharePoint 標準機能の延長線上では、Infopath と Form Service で、より高度なフォームデザインができます。が、エンタープライズライセンスが必要だったり、そもそも Infopath がなかなか取っつきにくかたったり、果てには Infopath という製品自体がエンド宣言されたり、と、いろいろ…(汗)
しかし、そこはサードパーティ製品が豊富な SharePoint。各ベンダーからカスタムフォームソリューションが色々と提供されています。一番有名なところでは Nitex 社の「Nintex Form」でしょうか。
この「SP改for2013 フォームレイアウトデザイナー」もそうしたリストのフォームのカスタマイズ製品です。GUI ベースの設定で、フォームを、もう少し凝ったデザインにすることができます。
製品特徴は「判り易さ」と「難しすぎない機能」。例えば、項目が多くて見難い SharePoint の連絡先リストも、こんな風に。デザイン所用時間は約 5 分です。
インストールは通常のアンク製品同様、ファームに対して行い、サイトコレクション単位で有効化します。そうそう、残念ですが現時点ででは Office 365 と、2010 以前の過去バージョンには対応していません。
設定は、各リストの設定画面からです。
このチェックを入れると、リストフォーム編集機能が有効化されます。ちなみに外すと標準に戻りますが、その際、それまで編集したフォーム設計情報は失われません。再度有効化すると復活します。
これが先程のフォームの設計編集画面。基本的には、左のオブジェクトを、右のフォーム領域にドラッグ&ドロップする「よくある」方式なのですが…そう、エクセルです(笑)
フォーム領域はセル(グリッド)で区切られていて、そこに自由にオブジェクトを配置できます。セルを縦横に「結合」することも可能です。逆に言うと、セルに沿ってしか配置できず、ある意味、フォームデザインの自由度はかなり制限されているのですが…しかし、これがとにかく判りやすい!だってエクセルですもの(笑)
機能的には、表示フォーム、新規フォーム、編集フォームにそれぞれ別のデザインを作成することができます。表示フォームのデザインをすべてに一括適用することも可能。
フォーム上に自由なテキストを記述することもできます。HTML も含めることができるので、少し工夫するとフォームデザインの自由度がぐっと広がります。
入力値の検証は「必須」「パターン一致」「範囲検証」「比較検証」の四パターンです。これもオブジェクトの一つとしてフォーム内にドラッグ&ドロップして使用します。特筆すべきは「パターン一致」で、正規表現に対応していること。柔軟な指定が可能です。また表示するエラーメッセ―ジも自由に設定することができます。
そうそう、ボタンもあります。オブジェクトをクリックした際に動作する JavaScript を記述するタイプなので、開発前提にはなってしまいますが、自由度は非常に高いです。ちなみに、背景色有り/無しの二種類が用意されていて、最初何が違うのか戸惑ったのですが…「ヘッダー行の中に配置する場合」と「フォーム内に配置する場合」の両方に対応するためでした。このあたりの細かな配慮がアンクさんらしい(笑)
外見(配色等)は、ほとんど何もない「標準」と罫線&背景色ありの「グレータイプ」が用意されています。通常は「グレータイプ」を使うことになるでしょう。カスタム CSS の適用にも対応していので、デザイナーさんがより「美麗」なフォームを用意することも可能です。
フォーム設計情報のエクスポートとインポートにも対応するので、横展開も可能です。ただ、列の表示名ではなく内部名を見ているようなので、その点だけ留意が必要です(リストテンプレートで横展開すれば問題ありませんが)。
以上、ざっとご説明しましたが、どうでしょうか?やはり「エクセルライクゆえの判り易さ」がとても便利です。これなら少しマニュアルがあれば、エンドユーザー自身がフォームを無理なく設計できると思います。確かにその分、機能的な制約はあるのですが、少し凝りたいユーザーや開発者も HTML や CSS を駆使すれば相当なことができそうです。
個人的には、久々に「これは良い!」と思った製品でした。特にノーツ移行のハードルがかなり下がると思います。僕が SharePoint 担当者だった頃にこれがあればなぁ…(苦笑)
あと、フォーム内で自由に画像や書式を使えるので、アンケート調査にもいいですね。標準のアンケートリストではこれができず、毎回 Infopath で対応するのが大変でした。
この「SP改for2013 フォームレイアウトデザイナー」は弊社でも取扱いしています。興味をもたれた方はぜひご連絡ください。ぜひ、まずは試用版(無期限/アンク社ロゴ表示)で試して頂きたいと思います。
なお、実は「フォームレイアウトデザイナー」には、対となる新製品「リストフィールドデザイナー」があるのですが、こちららもかなり素敵です。この「リストフィールドデザイナー」については、また別の記事でご紹介したいと思います。
アンク社 SP改for2013 フォームレイアウトデザイナー