SharePoint 2013 の新しいユーザー選択GUI(Client-side People Picker)の挙動

SharePoint 2013 では、いわゆる「ユーザーを指定する操作」が、従来の別ウィンドウでの検索→確定から、同一画面で部分入力→候補表示→確定の、より今風(?)な方式になりましたが、その挙動について確認してみました。

ここで試するのは、リストの「列」型の一つ「ユーザーとグループ」です。まずは「舞」と一文字入力すると、候補が表示されました。

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私のテスト環境に存在するユーザーは概ね「舞黒××」なのですが、ここにその全員が候補として表示されていません。「舞黒次郎」「三郎」は居ますが「四朗」がありません。これはどうやら、サイトコレクションの「ユーザー情報」に存在しているユーザーの中からのみ候補として表示しているようです。※ユーザー情報については前のポストを参照

「舞黒四」まで入力すると、ようやく「舞黒四朗」が表示されました。この挙動を見る限り、サイトコレクションの「ユーザー情報」に該当アカウントがなくなると、ようやくユーザープロファイルから情報を引き出してくれるみたいですね。

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表示名ではなくアカウント(英語)ではどうでしょう。四朗のアカウントは siro@xxx なので「s」を入力します。

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三郎(saburo)と四朗(siro)が候補として表示されました。三郎はこのサイトコレクションの「ユーザー情報」に存在しますが、四朗はしません。挙動としては、英語入力の場合は即、ユーザープロファイルから直引きしている、ということになるでしょうか。

ついでに部分一致も試してみます。
こちらは、英語/日本語、ユーザ情報の存在有無にかかわらず、駄目でした。

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この新しいユーザー選択 GUI は、非常にインタラクティブで直感的に使えるので便利ですが、一方で、大組織で沢山のユーザーから一人を選び出すような操作はちょっと難しくなりましたね。名前の漢字を間違えるともう、どうしようもない、という問題もあります。

個人的には、この辺り、SharePoint 2013 という製品が、より狭い範囲でのコラボレーションワークを指向した製品デザインになっていることと関連しているのではないかと思います。

なお、STSADM コマンドでこの People Picker が検索する範囲等を指定できるのは従来とかわらないようです。ただ PowerShell コマンドでは指定ができない、という点はちょっと驚きましたけど。

TechNet :Configure People Picker in SharePoint 2013
TechNet :SharePoint 2013 でユーザー選択ウィンドウを計画する
SharePoint Blog :People Picker in SharePoint 2013

また、実は裏側では旧式のユーザー選択ダイアログも残っており、新旧いずれのコントロールも、開発(スクリプト等)で実装することできるようです。

SPObject.Resolve() :ClientPeoplePicker in SharePoint 2013
TechNet Wiki : SharePoint 2013: Understanding the People-Picker control
Office DEV Center :How to: Use the client-side People Picker control in apps for SharePoint
Saikiran Sheshagiri’s Blog:[jQuery Plugin]: SharePoint 2013 client side people picker control


Author

中村 和彦(シンプレッソ・コンサルティング株式会社 代表)が「ユーザ視点の SharePoint 情報」を発信します。元大手製造業 SharePoint 運用担当。現SharePoint コンサルタント。お仕事のお問い合わせはこちらまでお願いします。当ブログにおける発信内容は個人に帰属し所属組織の公式発信/見解ではありません。
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