ファイルサーバ統合の福音になるかもしれないアドオン AvePoint社「どきゅなび」紹介
社内に散在するファイルサーバーとSharePointの統合、あるいは使い分けは大抵のユーザー企業が悩む課題ですが、あるいはこれが有効なソリューションとなるかもしれない!と私が思うアドオン製品をご紹介します。
SharePoint はナンだカンだでファイル管理が優れています。フォルダを無視できるビューや、チェックインアウト、バージョン管理、権限管理、Windowsエクスプローラとの統合。それに最新版では SkyDrive Pro もありますね。
しかし、だからといって SharePoint がファイルサーバの代替となるか、と言えば難しいところです。どちらかと言えば、NO。やはり SQL データベースを介す以上、スケーラビリティやコスト、動作速度や大容量ファイル対応、という点ではファイルサーバーに及びません。
また、無理にファイルサーバを SharePoint の検索対象に入れてしまうと、検索サーバーが大変なことになります。大企業になるほど、ファイルサーバの総容量も膨大ですから。SharePoint 2010 から検索サーバーが複数台構成をとれるようになったとはいえ、何事も費用対効果というものがあります。
さて、そんなユーザー企業の福音になるかもしれない!と私が思うソリューションが、AvePoint社の「どきゅなび」です。
AvePoint、Microsoft SharePoint 2013 におけるファイルシェアの 最適な活用を促進する新製品 DocAve どきゅなび v3.0 CU1 を発表
AvePoint「どきゅなび」
ただし。これ、AvePoint社のWebサイトやパンフを見ても、一体何が出来るのか判らないかも。なぜか、やたらと判りにくいんですよね(苦笑)
簡単に解説すると、これは指定されたファイルサーバの情報(フォルダとファイル)を、SharePointに取込み、あたかも SharePoint の中にあるかのように利用できるようにする製品です。
と書くと、同社の別製品「ファイルサーバーコネクタ」と同じように聞こえるのですが。あちらは「BLOB」というSharePoint 基盤と統合された、ある意味とても「高度」な製品です。一方、このどきゅなびは「ファイルサーバーの情報を取得して、それと同じ構造のリンクリストを SharePoint に作成する」という、とてもシンプルな挙動をします。
これが実際の画面。
一見、ライブラリに見えますが、これ、すべて単なるリンクです。ファイルがクリックされると、ファイルサーバーにあるファイル本体を開きます。http リンク列の場合は SharePoint を経由しますが、UNC リンクの場合は直接ファイルサーバーにアクセスします。
SharePointとファイルサーバを見た目だけ統合している訳ですね。SharePoint の DB にファイルの実体(バイナリ)が取り込まれないため、とても「環境にやさしい」です(笑)
もちろん、シンプルな仕組みだけに、SharePoint のすべての機能(履歴管理など)を利用できる訳ではありません。あくまでリンクリストですから。しかし、シンプルだからこそ、もしシステムやこのアドオンに問題が発生しても、再取込みすればすぐ復旧!という点は大きなメリットです。
ちなみにバッチ的に一定間隔でファイルサーバの情報を権限を含めて同期します。ファイルサーバー → SharePoint の一方通行です。バッチの間隔は管理者が指定する他、ユーザーが手動実行もできます。
検索については、もちろんファイルサーバーの情報は対象外ですが、取り込まれた情報はアイテムなので、SharePoint の検索対象になります。つまりファイル名に含まれる単語なら検索できます。案外、この位がベストかもしれませんね。
どうでしょうか?個人的には、大企業でとても可能性のあるソリューションじゃないかと「ビビっ」と何か来たのですが(笑)
ただ、冒頭の「なぜかやたら判りにくい」と関連するのですが、実は AvePoint 社はこの製品を大企業でなく中小企業向けの、上記とはまた別のシナリオでマーケティング展開しています。ファイルプレビュー機能(ここでは紹介していません)推しで、オーシャンブリッジ社の Brava と競合するような方針みたいですね。
ですので、上記「ファイルサーバ統合」シナリオでの製品活用に興味がある方は、ぜひ弊社までお問い合わせ下さい。AvePoint社担当と相談の上、提案させて頂きます!
なお、SharePoint 2007、2010、2013 いずれも対応です。Office 365 の SharePoint Online については残念ながら未対応ですが、将来的に対応予定とのことです。
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