Microsoftのサービス利用規約が更新。Azure や Office 365 は対象外

Microsoft からオンライン製品全般を対象にした新しい利用条件が発表されました。以前、物議をかもした Google のプライバシーポリシと同様、Microsoft サービスにあるデータを、一定の範囲で Microsoft に利用を認めるものになります。

Microsoft、サービス利用規約を更新 9月27日に発効
MicrosoftがSkyDriveやHotmailなど一連のクラウドサービスの利用規約「マイクロソフト サービス アグリーメント」を改定した。サービス改善目的でメールやチャットの情報を個人が特定できない形で利用するとしている。

う~む。「Microsoft、お前もか」。時代の流れとして仕方が無い気もしますし、若干の今更感もあるのですが。それでも、そこはかとない気味悪さは拭えません。

実際の「サービス アグリーメント」はこちら:マイクロソフト サービス アグリーメント

重要なポイントは、ここに Azure や Office 365 といったエンタープライズ向けサービスが含まれていない点です。つまりプライベートな SkyDrive 情報は収集されますが、 SkyDrive Pro(SharePoint Online)や Exchange Online の業務情報はされない。とりあえずは安心、と言えるかと思います。

本契約は、Microsoft Hotmail、Microsoft SkyDrive、Microsoft アカウント、Windows Live Messenger、Microsoft フォト ギャラリー、Microsoft ムービー メーカー、Microsoft メール Desktop、Microsoft Writer (前述の製品は総称して「Microsoft ブランド サービス」といいます)、Bing、MSN、Office.com、および本契約に関連するその他すべてのソフトウェア、Web サイト、またはサービス (総称して「本サービス」といいます) に適用されます。

収集されるパブリック向けサービスについても、あくまでサービス向上に寄与する目的に限定される、と盛んに強調されていますね。

3.3.Microsoft はコンテンツをどのように扱いますか。 お客様がお客様のコンテンツを本サービスにアップロードした場合、お客様はお客様の保護に必要な場合、および Microsoft 製品やサービスの提供、保護、向上に必要な場合にのみ、かかるコンテンツが使用、修正、編集、保存、複製、頒布、および表示される場合があることに同意するものとします。たとえば、マイクロソフトは、スパムやマルウェアを検出してそれらから保護するため、または新機能によりサービスを改善してサービスを使いやすくするために、電子メール、チャット、または電話から情報を自動的に分離することがあります。お客様のコンテンツを処理する際、Microsoft はお客様のプライバシーを保護するための手順を実行します

その他の点では、バックアップは自己責任、アカウントは270日アクセスがないと削除される可能性がある、補償は利用料金の一ヶ月分を上限とする、日本のサービスは日本マイクロソフト社との契約になるため、係争関係は東京裁判所が所轄になる、と明記されているのがポイントでしょうか。

ひと昔前なら「Microsoft 帝国の横暴だ!邪悪(EVIL)だ!」と騒がれたかもしれませんが…その Google が既にやっちゃってますからねぇ(苦笑)ぜひ、「そこはかとない気味悪さ」を払拭できるような、サービスの向上を期待したいところです。


Author

中村 和彦(シンプレッソ・コンサルティング株式会社 代表)が「ユーザ視点の SharePoint 情報」を発信します。元大手製造業 SharePoint 運用担当。現SharePoint コンサルタント。お仕事のお問い合わせはこちらまでお願いします。当ブログにおける発信内容は個人に帰属し所属組織の公式発信/見解ではありません。
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