SharePoint 2013 サイトメールボックスと Outlook の接続。削除と再接続。

SharePoint 2013(Office 365 の SharePoint Online)でおそらくもっとも直接的に「役立つ」機能であるサイトメールボックス。このこの挙動について、例によって細かいところを(笑)ご紹介します。僕自身の備忘録をかねている訳ですが。

サイトメールボックスは、文字通り「サイト」に独自のメールアドレスを付与し、メールを受信して蓄積しておくことができる機能(アプリ)です。従来の「受信メール」機能に似ていますが、リストアイテムとしてメールを保存していた受信メールと異なり、サイトメールボックスは Exchange と連携して Exchange に専用のアカウントを自動作成する、つまり Exchange 上にメールを蓄積しています。そのため、通常のメールと全く同じように検索、再利用できます。

サイトメールボックスは、SharePoint 上ではサイトにひとつしか作成できない特殊なアプリとして表示され、クリックすると OWA でメールを確認することができます。 

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さて。ここからがこのエントリのミソです。サイトメールボックスを作成した後、ふと自分の Outlook 2013 クライアントを見ると…

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いつのまにか、サイトメールボックスのアカウントが自身の Outlook 2013 クライアントに追加されています。特に「Outlook に接続」といった操作を行ったわけではありません。

どうやら、Outlook と Exchange の通信の中に「利用できる SharePoint のサイトメールボックスがあるかを確認する」というプロセスがあり、権限を持つサイトメールボックスがあると、自動的に Outlook に追加してくれる(追加してしまう)ようです。

この Outlook 2013 クライアント上のサイトメールボックスは、通常のメールボックスと同じように操作できます。特に、メールをメールボックスをまたいでドラッグ&ドロップでコピーできるのがとても便利です。

しかし、この「権限を持つサイトメールボックス」というのがちょっと微妙でして。実は「権限がある=閲覧できる」ではありません。

サイトメールボックスとOutlook 2013との接続につきまして
Outlook2013 にフォルダが表示されるのは、既定の権限 [ メンバー ] [ 所有者 ] および [ サイトコレクションの管理者 ] へユーザーを登録した場合です。そのため、新しく権限を作成し、その権限へユーザーを登録すると、Outlook2013 へサイトメールボックスフォルダは表示されません

つまり、サイト既定のグループ「~のメンバー」「~の所有者」に入っている必要があるんですね!独自に作成した SharePoint グループや、セキュリティグループ、あるいはサイトに直接権限を付与されたユーザーには、サイトメールボックスは連携されません(※ Office 365 でのみ確認)。う~む、ちょっと微妙な仕様です。

また、権限のあるサイトメールボックスすべてを常に連携しておく必要はないですよね。こうした場合、不要なサイトメールボックスは、右クリックして[~を閉じる]で、Outlook クライアントから削除することが出来ます。

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しかし、一旦削除してしまったけど、やはりもう一度連携させたい。そんな時は、自分のメールボックスを右クリックして[すべてのサイトメールボックスの管理]をクリック。

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こんな専用画面「マイサイトメールボックス」で表示/非表示を指定することができます。

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ただ、Office 365 だとチェックボックスをクリックしてから、実際に画面上でチェックが反映されるまで、か~な~り~時間がかかりました。あれ?と何度もクリックするとオンなのかオフなのか判らなくなるので、気長に待ちましょう。

また、Outlook 2013 クライアントに同期したサイトメールボックスを見ると、その中に「ドキュメント」という見慣れないフォルダがあります。

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これは、そのサイトにあるドキュメントライブラリに保存されたファイルを、Outlook 2013 クライアント上から参照したり、編集もすることができる機能です。

これ、一瞬、すべてのファイルをダウンロードしてローカル同期しているのか?と驚きますが、実際には「スタブ」と呼ばれるショートカットだけを保持していて、開く際に SharePoint 側からファイルを取得しているようです。

そのため、オフラインでは参照できず、そうした用途には不向きです。一度ダウンロードしたファイルはローカルにコピーを持っているようで、参照できますが。

ただ、この「ドキュメント」はあくまでチームサイトに最初から存在する「ドキュメント」ドキュメントライブラリについてのみ有効なようで、例えばサイトに二つ目のドキュメントライブラリも作成しても反映されませんでした。

加えて、「じゃあこのファイルの URL を他の社員に送ろう」と思ったとき、適当なGUIが無いんですよね。かろうじて右クリックから「転送」することで下のように SharePoint のURLとセットでメールを作成できるのですが。

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ファイルによっては「操作が失敗しました。メッセージング インターフェイスによって原因不明のエラーが返されました」とエラーになります。この違いが何に起因しているのかはまだ不明。

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う~ん。面白い機能だとは思うのですが、やはり初出だけに、あちこち煮詰め不足な気がします。

Exchange TeamBlog Site Mailboxes in the new Office
Outlook Blog: Easier collaboration with Site Mailboxes
SharePoint Site Mailbox integration with Outlook ? A new way to get email into SharePoint


Author

中村 和彦(シンプレッソ・コンサルティング株式会社 代表)が「ユーザ視点の SharePoint 情報」を発信します。元大手製造業 SharePoint 運用担当。現SharePoint コンサルタント。お仕事のお問い合わせはこちらまでお願いします。当ブログにおける発信内容は個人に帰属し所属組織の公式発信/見解ではありません。
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