リコーとマイクロソフト中小企業向けクラウドで提携
BPOSの普及を加速したいMS、収益源にしたいリコー、しかし前途は多難そうです。
リコーとマイクロソフト、中小企業向けクラウドサービスで提携
マイクロソフトの企業向けクラウドサービス「Exchange Online」「SharePoint Online」などに、リコーのヘルプデスクや導入支援サービスなどを組み込んだり、リコーの中小企業向け情報システム構築・保守サービス「NETBegin BBパック Select」と組み合わせた共同ソリューションを提供するという。
http://www.japan-market.jp/news_LFfUEkgUb.html
BPOSに関しては、こう言っては申し訳ないですが、Microsoft社によるサポート体制は(日本企業、とくに一定規模以上の企業が期待するレベルから鑑みて)リソース不足ですので、そをリコー社が担う、というビジネスモデルでしょうか。もちろん価格設定次第ですが、顧客も含めて、「皆ハッピー」になれる可能性がありますね。期待したいところです。
ただ、現行のBPOSにはサポート以外にも本質的な問題がある、と私は考えています。つまり、SharePoint2007ベースのため、そもそも機能不足なのではないか、ということです。
これは決して SharePoint2007 が使えない、という意味ではありません。MOSS は本来オンプレミス(自社サーバによる運用)を前提とした設計仕様のため、マルチテナントに対応していません。それをクラウドで利用しているため、現行の BPOS は「顧客は(実質的に)サーバの全体管理に触れることができない」という制約があります。
現ユーザの方であれば想像できると思うのですが、これはかなり大きい制約です。本当に SharePoint 2007 の「標準中の標準」機能しか利用することができません。SharePoint にはアプリケーションプラットフォームとしての側面もありますが、サーバに触れないとなるとそれが活かせません。
そう考えると、既存の中~大規模な顧客がどんどん BPOS に切替える、ということはちょっと考えにくい。やはり狙いは、まだグループウェを利用していない、小~中規模の新規顧客かと思うのですが、すると、今度は SharePoint 自体が決して「わかりやすい」とか「シンプル・簡単」という類の製品ではないため、難しそうです。むぅ、どうなりますかね。
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