WindowsServer2008R2にSharePoint2007がインストールできない

WindowsServer2008R2の要件はSharePoint2007「SP2以上」なのでインストールにはひと工夫必要です。

最新の Windows Server である 2008R2。そこに SharePoint 2007 をインストールしようとすると「このプログラムは互換性の問題のためブロックされています。」と警告され、インストールが出来ません。

実は、2008R2 には SharePoint 2007 の SP2 以上が必要なのです。ところが、SP2のメディアは存在しないため、インストールの前にちょっとした事前作業が必要になります。

MicrosoftのKBはこちら。
文書番号: 962935 – Windows Server 2008 を実行しているコンピューター上には、[適用] セクションで製品をインストールした後、Windows Server 2008 から Windows Server 2008 R2 にアップグレードすることはできません。

簡単にまとめると、自力で「SP2を含むインストールメディア」を作る必要があります。その手順はこちらにありますが [ Create an installation source that includes software updates (Office SharePoint Server 2007) ] これもお世辞にも判り易いとはいえませんので、ここに手順をまとめておきます。

まず、SP2 が必要です。以下のリンクから、WSS sp2 と SharePoint Server SP2 を両方ダウンロードし手下さい。x64 と x86 でインストーラが異なるので注意。
http://support.microsoft.com/kb/953334
http://support.microsoft.com/kb/953338

次に、SahrePoint のインストールメディアの内容を、ローカルドライブにまるごとコピーします。ここでは、インストールするサーバのCドライブに server12 というフォルダを作成してそこにコピーしました。

SS SP2 の構成ファイルを抽出します。以下はコマンドサンプル。抽出先フォルダは適当です。
c:¥wssv3sp2-kb953338-x64-fullfile-ja-jp.exe /extract:c:¥wsssp2

実行すると、突然インストールが開始されて驚きますが、ライセンス条項に同意して、[次へ]で進むと、そのままファイルの抽出だけで終了します。

同様の手順を、SharePoint Server SP2 にも行います。
c:¥officeserver2007sp2-kb953334-x64-fullfile-ja-jp.exe /extract:c:¥mosssp2

抽出したファイルを、(コピーした)インストールメディアのデータ内に統合します。この際、WSS SP2 の構成ファイルのうち、eula.txt と wsssetup.dll は無視して下さい。
x64 の場合 : server12¥x64¥updates
x86 の場合 : server12¥x86¥updates

これで完了です。通常は、このデータをまとめてCD/DVDに焼いて保存しておきます。この例では、そのままサーバにインストールするため、 server12x64setup.exe を実行しました。

最初からMicrosoft が SP2を含むインストールメディアを提供してくれれば、それで済む気もするのですけどネ。


Author

中村 和彦(シンプレッソ・コンサルティング株式会社 代表)が「ユーザ視点の SharePoint 情報」を発信します。元大手製造業 SharePoint 運用担当。現SharePoint コンサルタント。お仕事のお問い合わせはこちらまでお願いします。当ブログにおける発信内容は個人に帰属し所属組織の公式発信/見解ではありません。
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