SharePoint のグローバルナビゲーションとレスポンスの話

SharePoint 2010、2007 (Office 365含む)いずれも画面上部に「グローバル ナビゲーション」、ようはリンク集が表示されます。どのサイト、どの画面、でも固定的に表示される(ようにできる)ため、ポータル全体の構造を示す上でとても便利なのですが…実は、これが結構、レスポンスを低下させる要因になりがちです。

グローバルナビゲーションは、標準では作成したサブサイト、その下のサブサイトまで、フライアウト式で表示させることができます(マスターページの設定で2段以上も可能)この際、アクセス権限のないサイトは表示されないのも、グローバルナビゲーションの便利な点です。

が。この機能がクセモノなのです。権限を見ている、ということは、沢山のサイトが存在して、それぞれ個別の権限が指定されている場合、それを全部、都度チェックすることになります。当然、そのぶんレスポンスが悪くなります。特に、サイト権限の設定に SharePoint グループが多用されている場合、SharePoint はグループを一旦分解してからチェックするため、一層悪化します。

もちろん、数サイト~10サイト程度なら、おそらく問題にならないです。しかし、企業で利用している場合、気がつくと数十サイトがグローバルナビゲーションに登録されている、なんてことは珍しくありません。グローバルナビゲーションは「すべての画面」で表示されるため、この影響はじわじわと効いてきます。

SharePoint の、とくにルートサイトコレクションのレスポンスが気になる方は、ぜひ一度、[サイトの設定]→[外観|ナビゲーション]を確認してみて下さい。「ナビゲーションの編集と並び替え」がながーく伸びていませんか?

この問題の対処方法としては、ナビゲーションを静的なリンクとして登録する、という方法があります。標準の(自動的に登録される)サイトリンクはすべて[非表示]に設定し、[リンクの追加]でサイトへのリンクを登録します。当然、すべて手作業ですので大変ですが、その辺りはレスポンス影響とのバーターだと考えて下さい。

また、このリンクにはアクセス権減を設定することができません。一応、対象ユーザーは有効ですが、そもそも動的であることがレスポンス低下の要因なので、利用はあまりお勧めしません。どうしても隠す必要があるサイト(存在すら社員に見せたくないセンシティブなサイト)だけに限定した方がよいでしょう。

もちろん、レスポンスは複合要因なので、これを変更したから解決する!というものではありません。でも自身の環境や、これをお勧めした何社かでも「改善した!」という実績があります。もっさりレスポンスで悩まれている方は、ぜひ、確認してみてください。


Author

中村 和彦(シンプレッソ・コンサルティング株式会社 代表)が「ユーザ視点の SharePoint 情報」を発信します。元大手製造業 SharePoint 運用担当。現SharePoint コンサルタント。お仕事のお問い合わせはこちらまでお願いします。当ブログにおける発信内容は個人に帰属し所属組織の公式発信/見解ではありません。
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