自習書「SharePoint Server 2010 サイト デザイン 開発手法」

SharePoint 2010 から Microsoft は各種ドキュメント、とりわけ「自習書」の充実に相当な労力をかけているよう見受けられますが、今回リリースされた最新の自習書「サイトデザイン開発手法」が、とても素晴らしい出来なのでご紹介。

Microsoft SharePoint Server 2010 サイトデザイン開発手法
http://technet.microsoft.com/ja-jp/sharepoint/ff358322

これは、SharePoint 2010において、主にマスターページを SharePoint Desinger でカスタマイズして、サイト全体の外観を大きくカスタマイズする方法です。「自習書」だけに、技術ドキュメントではなくハウツーとして、実際のカスタマイズ例とその手順が掲載されています。

とにかく実例が豊富なのがポイントで「サイド リンク バーを非表示に」「リボン内 [参照] タブを非表示に」「権限による [すべてのサイト コンテンツ] の表示/非表示」「ページの内容全体を中央よせ表示」など、出来そうでなかなか出来ない…という部分が網羅されています。

この手のノウハウは、2003~2007当時、私自身もいち担当者として悪戦苦闘した部分だけに、もっと早くこの自習書が欲しかったです…(苦笑)

ただ、この自習書はあくまで「デザインのカスタマイズ」がテーマのため、ベースとなるHTML、CSS、加えて出来ればでき JavaScript について、ほどほどの理解が必要になります。全く初めての方には少々厳しいかもしれません。

また、カスタマイズにあたっては「そもそも」を考えておく必要があります。デザインの変更は SharePoint のバージョンに大きく依存するため、次バージョンには引き継げず、事実上ゼロから再作成になります。

組織においては担当者の異動はつきものですから、今現在の担当にカスタマイズ出来る技量があったとしても、そのノウハウをきちんと後任に伝えなければ、ポータルの維持に問題をきたすことになります。

デザインの改変も「開発」の一種ですので「出来ること」と「やるべきかどうか」はきちんと分けて考える必要がある、ということですかね。

ともあれ、まずはご一読をお勧めします。

なお、あくまで SharePoint 2010 を対象とした自習書ではありますが、大体の内容は SharePoint 2007でも有効です。


Author

中村 和彦(シンプレッソ・コンサルティング株式会社 代表)が「ユーザ視点の SharePoint 情報」を発信します。元大手製造業 SharePoint 運用担当。現SharePoint コンサルタント。お仕事のお問い合わせはこちらまでお願いします。当ブログにおける発信内容は個人に帰属し所属組織の公式発信/見解ではありません。
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