Nintex Workflow とは 「The SUPER SharePoint Designer」

SharePoint アドオン製品「Nintex Workflow」は、海外のNintex社が開発。日本ではリアルコム社が取扱いです。ワークフローという名称から、OpenCube や RabitFlow といった「申請回章ソリューション」の競合を想像したのですが、実際はそうではありません。これは「SharePoint Designer 以上 Visual Sutudio 未満」な「SharePointのワークフロー」拡張製品です。

※もちろん、この機能を利用して「申請回章」ワークフローを設計することは十分可能です。しかし専用ソリューションではありませんので、おのずと限界があります。

Nintex Workflowを導入すると、下図のように「SharePointのワークフロー」をブラウザからGUIベースで構築することができます。Designerと異なり、フロー図になるため判りやすいのが大きな特徴です。利用できるアクション(アクティビティ)も豊富で、Designer で不満を感じる部分は大抵カバーされています。

ワークフローによるアクセス権限の変更や、For処理、ループ処理 が出来るのが素晴らしい。サイトコレクションを越えた他リスト参照も可能。[Update XML]アクションを利用すれば、ライブラリに連携していないInfopath ファイルのノード(列)も取得・更新できます。

一度設計したワークフローは、テンプレートとして保存し、サイトコレクション全体で利用できるほか、エクスポート&インポートして別環境でも活用可能です。リストとの紐付けが壊れないかが不安点ですが、試した限りでは、リスト名、列名または列内部名が同一であればきちんと設計が継承されるようです。

管理者・設計者の立場では、ワークフローの動作履歴を詳しく追跡できるのもポイントです。GUI から、どの処理(アクション)を何度通過し、どこで止まっているのかが一目瞭然。先日ワークフローがループしていないことに気付いたのも、このおかげでした。

そして、Nintex Workflowの最大の特徴は、ここまで出来て「100% SharePoint ネイティブ」という点でしょう。ワークフローは SharePointDesigner と同様、「xoml」「rule」「xml」で構成されており、つまり、サーバに特別な追加機能を要求しません。

ただし、この点は同時に弱点でもあります。あくまで SharePoint のワークフローとして振舞いますので、SharePoint「ネイティブ」の仕様が制約になります。例えば、SP2未適用の場合、ループしますし、ライブラリで用いると、起動と待機のタイミングが微妙です。システムアカウントの場合、手動以外ではワークフローが動作しません。その他、細かな「怪しい挙動」をつきつめると、結局はSharePointの仕様が原因だった、というケースが少なくありません。

Nintex WorkflowにはSharePoint2007対応の「Nintex Workflow 2007」、SharePoint2010対応の「Nintex Workflow2010」があります。どちらも別製品ですが、Nintex Workflow 2007で設計したワークフローは、エクスポートでそのままSharePoint2010で利用できます(逆パターンは未確認)

価格は定価ベースですが、フロントエンドライセンスであたり150万円強(Nintex Workflow2007。記事執筆時点)。SQLのクエリや、ActiveDirectory を変更できるアクションを含むハイエンド版は250万円強になります。決して「安い」とは言えませんが、SharePointの基本機能を活かす、という意味ではとても有意なツールです。これに慣れてしまうと、正直なところ SharePoint Designer (特に2007)には戻れません。

試用版(30日)、お問い合わせは以下のリンクからリアルコム社まで:
SharePointのワークフローアドオン製品「Nintex Workflow 2007」
SharePointのワークフローアドオン製品「Nintex Workflow 2010」

なお、弊社ではNintexを活用してSharePointの「ちょっとした不便さ」を解消する活用テンプレートをご提供しています。詳しくは下のリンクをご参照ください。

Nintex Workflow活用テンプレート : SharePointで施設・備品予約
Nintex Workflow活用テンプレート : サイトコレクションの管理担当とクォータ(容量制限)を一元管理する
Nintex Workflow活用テンプレート : アイテム/ファイル保存時に自動的にアクセス権を設定する
Nintex Workflow活用テンプレート : ユーザによる登録情報の点数づけ(レイティング)
Nintex Workflow活用テンプレート : PscanServ と連携し自動PDF化。「ダウンロード禁止」を実現
Nintex Workflow とは 「The SUPER SharePoint Designer」


これまでのコメント

  1. Jun より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; GTB6.5; .NET CLR 1.0.3705; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729; Sleipnir/2.9.6)
    初めまして
    最近Nintexをやり始めていろいろ分からずこちらにたどり着きました。
    現在ステートマシンを使い承認ルートの移動を行っているのですが、エラーが発生しなんでエラーなのかもわからず…
    承認処理のアクティビティにFlexiを使っているのですが、状態を見ると担当者がすべてキャンセルになっています。
    別申請者で開始したものはうまく進んでいるのに、エラーになるドキュメントがあり原因がわかりません。
    このような状況のご経験はありますか?
    また、エラー回避した場合に継続することは可能なのでしょうか?
    ダメな場合はどのような運用がいいのでしょうか?
    エラーでなく、停止中という場合もあるのですが、この場合は大体チェックアウトエラーのようですが、チェックインしても停止中から変わりません…
    ワークフローの開始は保存時としています。

    何かあればよろしくお願いします。

  2. saruhiko より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; en-US) AppleWebKit/534.10 (KHTML, like Gecko) Chrome/8.0.552.224 Safari/534.10
    こんにちわ。
    ご利用の設計詳細が判りませんので、確たる情報をご提供できません…申し訳ないです。WFとリストのテンプレート、それに仕様と障害発生情報を頂ければ検証してみることも可能ですが、それなら nintex のサポートに直接コンタクト頂いた方が良いかと…(苦笑)
    別に宣伝ではないのですが、リアルコム様のNintexサポートはかなり「頑張って」いらっしゃいますので、相当内部に踏み込んだ質問でもきちんと調査して貰えます(弊社実績)
    実のところ、Nintex にも「仕様の穴」がそこそこあります。ただ、これは Nintex の問題というより、むしろSharePointというブラックボックスの上に乗っている製品である、とい性質によるものかと思います。
    なお、弊社で検証を承ることも可能ですが、その場合、恐縮ですがアドバイザリサービスの一環としてご対応させて頂きます。その上で「ベストエフォート」での検証になってしまいますので、その意味でもサポートのご利用をお勧めします。
    お役にたてれば幸いです。

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中村 和彦(シンプレッソ・コンサルティング株式会社 代表)が「ユーザ視点の SharePoint 情報」を発信します。元大手製造業 SharePoint 運用担当。現SharePoint コンサルタント。お仕事のお問い合わせはこちらまでお願いします。当ブログにおける発信内容は個人に帰属し所属組織の公式発信/見解ではありません。
FB : 中村 和彦
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