続・SharePoint のリストでカスケード分類っぽいことを実現してみる

前回「SharePoint のリストでカスケード分類っぽいことを実現してみる」の続きです。

関数を使って、カスケード分類ちっくな挙動を作ってみた訳ですが、実データに適応してみたところ、やはりというか、仕様に穴がありました。


前回の関数は、分類が「xxxx-xxxx-xxxx」形式であること、つまり必ず分離記号「-」が 2つ存在することが前提だったんですよね。しかし、分類が必ずしも三階層あるとは限りません。こういうケースは想定しておかないといけないですね。

そこで、IF 関数 と ISERROR 関数を加えて、集計値を書き直しました。

計算1:=IF(ISERROR(SEARCH(“-”,分類,1)),””,SEARCH(“-”,分類,1))
計算2:=IF(ISERROR(SEARCH(“-”,分類,計算1+1)),””,SEARCH(“-”,分類,計算1+1))
計算3:=IF(計算2=””,分類,LEFT(分類,計算2-1))
大分類:=IF(ISERROR(LEFT(分類,計算1-1)),分類,LEFT(分類,計算1-1))
計算4:=IF(ISERROR(LEN(計算3)-計算1),””,LEN(計算3)-計算1)
中分類:=IF(計算4=””,””,RIGHT(計算3,計算4))
計算5:=IF(計算2=””,””,LEN(分類)-計算2)
小分類:=IF(計算5=””,””,RIGHT(分類,計算5))

今回も、基準になる列名は「分類」、区切り値が「-」です。

で、次にこの関数式をシンプルにまとめようとしたのですが…。無理でした。SharePoint の IF 関数は、最大ネスト7回、という制限があり、それを超えてしまうんですね。
抜本的にロジックを見直せば可能かもしれませんが。

計算n 列は、コンテンツタイプの管理を有効にして、非表示にすると良いと思います。

後、心配だったレスポンスについても調査しました。この関数を1万アイテム登録されたリストに組み込んでみましたが、特にレスポンスの劣化はみられませんでした。関数による集計値は、表示時に計算されるのではなく、保存時に DB に登録されるようです。あくまで現象からの推測なので、確かなことは判りませんが…。ただ、1万件を登録した後から集計値列を作成すると、[OK] をクリックしてから実際に列が作成されるまで、非常に時間を要したことからも、アイテム作成/更新時に DB に保存されていると考えられます。

SharePoint Cascaded Lookup

SharePoint のリストでカスケード分類っぽいことを実現してみる
Windows SharePoint Services 3.0 のヘルプと使い方>数式と関数
SharePoint2007 で利用できる関数とそのお作法
Infopath2003 を利用して、階層型(カスケード)分類選択を実現する
SharePointでダイナミックな分類選択を可能にする Query Based Lookup Field


これまでのコメント

  1. poteto より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; InfoPath.2; MS-RTC LM 8; .NET CLR 3.5.21022; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; OfficeLiveConnector.1.4; OfficeLivePatch.1.3)
    お疲れ様です。

    > この関数を1万アイテム登録されたリストに組み込んでみました。
    > が、特にレスポンスの劣化はみられませんでした。

    > 関数による集計値は、表\示時に計算されるのではなく、保存時に DB に登録されるようです。
    > あくまで現象からの推測なので、確かなことは判りませんが…。

    そうでしたか。。。
    自分の勝手な思い込みですねf(^^;

    時間が出来たら色々と試してみます!

  2. saruhiko より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; .NET CLR 2.0.50727; InfoPath.2; .NET CLR 3.0.04506.648; .NET CLR 3.5.21022; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729)
    いえいえ。
    結果的に、potetoさんの体感と逆の事象になってしまったのが不思議です。
    何故でしょうね…個人的にはサイトコレクションのキャッシュ周りの設定を疑っています。
    ウチの環境では、基本的にレスポンス重視でキャッシュ系は全て有効にしてあった筈ですが、これをOFFにしたら、もしかしたら関数が保存されなくなるのかもしれません。
    推論の上に推論ですが(苦笑)

    私も手が空いたら試してみます〜。

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中村 和彦(シンプレッソ・コンサルティング株式会社 代表)が「ユーザ視点の SharePoint 情報」を発信します。元大手製造業 SharePoint 運用担当。現SharePoint コンサルタント。お仕事のお問い合わせはこちらまでお願いします。当ブログにおける発信内容は個人に帰属し所属組織の公式発信/見解ではありません。
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