ワークフローを活用してアイテムに証跡を残す。

リストを使って情報共有をしていると、「自分はこの情報を確認したよ」という意味で、証跡を残せたらいいな、と思うことがあります。紙媒体に印鑑を押すようなイメージですね。

これが SharePoint と SharePoint Designer によるワークフローの組み合わせでなんとかならないかと試していたのですが。とりあえず使い物になるかな?というものが出来たのでご紹介します。

まずベースとなるリストを準備します。なんでも良いのですが、とりあえずカスタムリストで。

[設定]→[バージョン設定] で、アイテムのバージョン履歴を on にします。

「証跡」列を作成します。形式は複数行テキストで

「既存テキストへの変更履歴の追加」を on にします。ちなみに、アイテムのバージョン履歴が on でないと、これを指定できません。

これでリスト側の準備は完了です。
次は、SharePoint Designer で、このリストにWFを設定します。

[このワークフローをアイテムから手動で開始できるようにする]にチェック。

ステップ1は、[動的文字列を作成する]を選択します。

動的文字列には、[ワークフロー参照]で、[現在のアイテム/更新者][現在のアイテム/更新日時]を指定して、変数に代入します。

ステップ2は、[現在のアイテムにフィールドを設定する]を選択します。フィールド「証跡」に、ステップ1で作成した変数の値を挿入します。

ステップ3でワークフローを停止します(このステップは省略可かも)

これで準備完了です。
リストにアイテムを登録した後、ワークフローを開始させると、

ワークフローを起動したアカウントと時間が「証跡」列に記録されてゆきます。

なお、一度登録された証跡は、基本的に編集できません。
しかし、アイテムに対して削除権限を持っていると、[バージョン履歴]から、全ての証跡を削除することができてしまいますので、この仕組みを使う際には、一般ユーザには編集権限までで、管理者のみ削除ができるようにしておくことが望ましいと思います。


Author

中村 和彦(シンプレッソ・コンサルティング株式会社 代表)が「ユーザ視点の SharePoint 情報」を発信します。元大手製造業 SharePoint 運用担当。現SharePoint コンサルタント。お仕事のお問い合わせはこちらまでお願いします。当ブログにおける発信内容は個人に帰属し所属組織の公式発信/見解ではありません。
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